パパ活で起きるトラブルとは?どうやって回避する?

トラブル・被害

1. はじめに

18世紀のヨーロッパ、「社会契約論」が思想家ジャン=ジャック・ルソーにより書かれた時代に、人々は社会という「無形の契約」に基づいて互いの行動を規制し合うことを信じていました。人間同士が暗黙の了解のもとで、ルールを守り合い、秩序を維持していくことで、社会全体の安定が図られる。まさに“信頼”というものがその根幹にあったのです。しかし、現実世界では、必ずしもこの信頼が常に機能するとは限らず、時にそれが破られ、争いが生じます。

現代に戻り、パパ活という新しい交際形態を見てみると、やはり人と人との間に結ばれる一種の「契約」が存在します。金銭的な支援と、その対価としての時間や関係性。その根底にあるのは、暗黙の了解、信頼です。しかし、「社会契約論」に大きな反発があったように、パパ活でも全員がその信頼を守るわけではありません。世界に飛び込む人が増えれば、やがてルールを逸脱する者が現れ、トラブルは避けられなくなります。

今回の記事では、パパ活でよく発生するトラブルと、それを回避するための手段について考察します。人間関係の信頼が失われた時、どのようにして被害を最小限に抑えるのか、知っておくことは損にはなりません。特にこれからパパ活を始めようとしている方や、既に始めている方には、こうした情報が必須でしょう。不安要素を未然に防ぎ、実りある関係を築くために、この記事を通して、今一度「信頼」と「契約」の大切さについて考えてみましょう。

2. パパ活でよく起こるトラブルとは?

2-1. お手当や条件で揉める

金銭的な支援が前提になるので、条件に関する揉め事は本当に多いです。たとえば、事前に約束していたお手当の金額や内容が、後になって異なる解釈をされたり、支払いが滞ったりするケースです。

具体例
Aさんは、ある女性と初回の顔合わせで「食事2、大人5」で合意しました。Aさんは「食事のみ2、食事して大人5」の認識で大人にのぞみましたが、女性は「食事2と大人5で合計7」を要求。支払いを渋ると態度を急変してキレられ、Aさんが想定していた条件とは異なる形で渡すことになりました。

対策
お手当の額や条件は、事前にメッセージで残る形で確認し、曖昧な表現は避けるようにしましょう。食事だけでなく、買い物やホテル、宿泊、旅行なども面倒ですが明確にするべきです。また、支払いのタイミングや頻度についても合意しておくことが大切です。

2-2. 途中で逃げられる

デート当日、お手当を最初に渡した後に食事に向かったところ、途中で席を立ってそのまま逃げられたり、買い物に行ってプレゼントを買ってあげた後に行方を姿を消すケースです。

具体例
Bさんは女性と「食事+大人」のデートを約束し、待ち合わせ場所でお手当を求められて渡しました。その後、デパートでプレゼントを買い、食事をするレストランへ向かいましたが、「トイレに行ってくる」と席を立った女性が戻ってくることはありませんでした。

対策
お手当は約束が実行されてからが原則。もし顔合わせで先渡しの話をしてきたら、その時点で断った方が良いです。「前に騙されたことがあるから」と食い下がられたとしても、先に渡すのは一部だけにするなどに留めましょう。

2-3. 返金や返済をめぐるトラブル

女性にお手当を先に渡したものの、会う日にキャンセルされて一向に連絡がない場合や、途中で約束が変更された場合、パパ側は「それならお金を返せ」という気持ちになるでしょう。また、学費や旅行代など、まとまったお金を借りた女性が、返済を滞らせて問題になるケースもあります。

具体例
Cさんは、女性に先に高額なお手当を渡しましたが、約束していたデートを当日キャンセルされ、数週間たっても予定が決まらないため返金を求めたが断られ、弁護士を通じて解決を試みることにしました。

対策
お手当も借金も、領収書や借用書などの書面がないと法的に取り戻すことはまず無理です。よほどの信頼関係がない限り、先渡しや多額のお金を貸すのは避けましょう。それでも貸すときは、戻ってこなくてもいいという覚悟が必要です。

2-4. ストーカー・脅迫・恐喝の被害

パパ活の関係が終わった後でも、相手から執拗に連絡をされたり、ストーカー行為に発展することもあります。脅迫や恐喝を受け、金銭を要求されるケースも少なくありません。

具体例:
Dさんは、関係が終わった後も女性から「お金をくれないと、関係をバラす」と脅迫めいたメッセージを受け取り続け、職場近くにも現われるように。最終的には弁護士を通じて対応を行うことになりました。

対策:
関係が終わるときは、遺恨を残さずに。しつこいメッセージや脅迫が続く場合は警察へ、穏便に済ませたいときは弁護士に相談することを検討しましょう。

2-5. 美人局や性的なトラブル

パパ活には、美人局(つつもたせ)や性的なトラブルも存在します。初回のデートで安心しきったところを狙われ、男性が詐欺や恐喝に遭うケースもあります。

具体例:
Eさんは、相手女性とデートをした際に、突然第三者が現れ、女性のパートナーであると偽って金銭を要求されました。

対策:
初めて会う相手とは、公共の場での顔合わせに留めるようにし、相手が信頼できるかどうか見極めるまで一対一のプライベートな場所での会話は避けるべきです。高級ホステス並みの美人やグラドルのようなスタイルの女性が、お手頃の条件でOKのときは危険です。

2-6. ホテルでの窃盗トラブル

パパ活で発生するトラブルの中には、ホテルの部屋で起こる窃盗事件もあります。特に、相手がシャワー中やトイレに行っている間に、現金や貴重品が盗まれるケースがあります。特に高価な時計や現金が狙われることが多いです。

具体例:
Fさんは、女性とのデートでホテルに行った際、シャワーを浴びている間に、部屋に置いていた高価な腕時計と現金が盗まれてしまいました。警察に通報したものの、証拠がなく、犯人を特定することができませんでした。

対策:
ホテルの部屋では、貴重品を常に自分の近くに置くか、ロックのかかるセーフティボックスに預けるようにしましょう。また、初対面の相手とすぐにホテルに行くのは避け、相手の信頼性を見極めてから深い関係を築くことが重要です。もし行くにしても、女性から先にシャワーに行ってもらいましょう。

3. トラブルを未然に回避するための心構え

3-1. 地雷系PJの特徴を知っておく

パパ活でトラブルに巻き込まれないためには、いわゆる「地雷系PJ(パパ活女子)」の特徴を理解しておきましょう。ネット記事などでたくさん紹介されています。最初は穏やかで良好な関係を築いているように見えても、急に不当な要求をしてきたり、情緒不安定な行動を取ることがあります。例えば、約束したお手当以上を要求したり、関係が進むにつれて金銭的なプレッシャーをかけてくる場合があります。少しでも違和感を覚えたら、距離を置くほうが安全です。

3-2. 個人情報をうかつに伝えない

相手と1日も早く仲良く、親密になりたいと思うでしょうが、個人情報を伝えるのは慎重になったほうがよいです。もし関係が拗れた場合、ストーカー行為や脅迫に発展することもあるため、本名や住所、職場などの詳細を安易に伝えないようにしましょう。女性側も詳しいことは知られたくないはずなので、事前に個人情報にはお互いに必要な場合以外は伝えないことを相談しておくとよいです。

3-3. 評判の良いサービスを利用する

信頼性の高いサービスやプラットフォームを利用することがリスク回避に繋がります。登録者数が多く、口コミ評価が高いマッチングアプリや交際クラブを選びましょう。サイトやアプリによっては、トラブルが発生した際にサポート体制が整っている場合もあるので、事前に確認しておくことと安心です。

3-4. 女性と会う数を増やしすぎない

多くの女性と会うことは可能ですが、数を増やしすぎると管理が難しいだけでなく、危険な女子に出会う確率も増えます。多くの女性と同時進行で関わると、1人に対するお手当や会う時間が減り、満足度が下がります。身体の関係を持てば性病のリスクも出てくるので、コレクション感覚で会う女性の数を増やすのは余計なトラブルを生むだけなのでおすすめしません。

3-5. 常に緊張感、警戒心を忘れない

どれだけ仲良くなっても、相手は素性を知らない赤の他人です。常に一定の緊張感を持ち、警戒心を忘れないようにしましょう。相手の行動に少しでも不審な点を感じた場合は、即座に関係を断つことも必要な選択肢です。

4. まとめ

パパ活は、金銭的な関係を前提とするため、さまざまなリスクが伴います。どれだけ親密な関係になっても、けして気を緩めるべきではないです。もしトラブルが発生した場合には冷静に対応し、必要な時には専門家に相談もできる準備をしておいたほうが良いでしょう。

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