1. はじめに
アリストテレスやプラトンの名前を聞いたことはありますか?古代ギリシャの哲学者である彼らは、人間関係をいくつかの種類に分類しました。「フィリア(友情や兄弟愛)」「エロス(情熱的で官能的な愛)」のほかに、「アガペー(無償の愛)」や「ストルゲー(家族愛)」もあります。アガペーは自己犠牲的で無償の愛を意味し、ストルゲーは家族や親しい者との穏やかな愛情を指します。パパ活という関係において、これらの二つは本質的には関係のない概念ですので、今回はフィリアとエロス、この二つの関係性がパパ活にどのように作用するのかに焦点を当ててみようと思います。
現代社会におけるパパ活は、まさにフィリア的な関係であると言えるでしょう。互いにメリットを享受しつつ、感情を抑え、合理的な距離を保つ関係です。しかし、ネットで頻繁に紹介される「女性と距離を縮める方法」は、主にエロス的な文脈で語られています。これらのテクニックは、感情を刺激し、相手との深い繋がりを求めるために設計されています。しかし、パパ活という独特な関係において、エロス的なアプローチが果たして通用するのでしょうか?
パパ活における距離の縮め方は、恋愛におけるものとはまったく違うと考えています。今回、私は実際の経験をもとに、一般的な恋愛テクニックがパパ活でも通用するのかを検証してみました。恋愛におけるエロスではなく、パパ活におけるフィリア的な距離感を保つ方法について、考察していきたいと思います。みなさんも、ぜひフィリア的なアプローチを心がけて、適切な距離感でパパ活を楽しんでいただきたいです。
2. 「女性と距離を縮める方法」のパパ活における通用性
2-1. 接する機会を増やす
恋愛では「会う回数を増やす」が効果的と言われます。しかし、パパ活ではそんな単純な話では済みません。毎回のデートに「お手当」が伴うため、頻繁に会えば会うほどパパの負担が大きくなります。また、女性側のスケジュールや感情的な距離感も考慮する必要があります。会えば会うほど親しくなるように思えますが、パパ活では通用しないでしょう。
2-2. 名前で呼ぶ
名前で呼ぶことで親密感が生まれるというのは一般的には理解できます。しかし、パパ活では多くの女性が本名を明かさず、仮名やニックネームでのやり取りが通例です。本名を知らない状況で名前を呼んで、思ったような効果が得られるでしょうか?源氏名を使わず本名で働くキャバ嬢ならまだしも、パパ活でこの方法は有効とは思えません。
2-3. フレンドリーな話し方
フレンドリーに接することは、確かに距離を縮めるのに効果的です。パパ活においても、タメ口で話すことを提案することで距離を縮めることは可能です。私も実際にそうしています。ただ、最初から馴れ馴れしすぎると相手に不快感を与えるおそれがあるため、顔合わせの段階では敬語で礼儀正しく接し、段階的にフレンドリーなトーンに変えていくのがポイントです。
2-4. 自分磨きは必要か?
自分磨きは恋愛では非常に大切な要素ですが、パパ活ではそれほど重要ではありません。経済力や時間を提供するのがメインであるため、外見やスキルの向上に時間をかけるよりも、相手にリラックスした時間を提供する方が価値が高いです。女性は「生理的に無理でなければ良い」という感覚でパパを見ていますので、最低限の清潔感を保っていれば良いわけです。自分磨きにお金をかけるぐらいなら、お手当に回してほしいというのが彼女たちの本音です。
2-5. 悩み相談をする
悩みの相談にのることは、関係性を深める良いきっかけです。しかし、パパ活ではケースバイケースではないでしょうか。ちょっとした悩みであれば、彼女たちに癒やしてもらう口実として良いですが、あまりに重い悩みだと女性側も受け止められないでしょう。そもそも彼女たちはパパの経済力に興味があるだけで、パーソナルな部分への関心は薄いということを自覚しておきましょう。
2-6. お願いごとをする
お互いにお願い事をすることで頼り合う関係づくりを行えますが、パパ活では、何を頼むかが非常に重要です。例えば、「次のデートで行くレストランの候補を探してくれない?」とか、「お金は出すので旅行先の予約だけ頼めるかな?」といった、女性の楽しみにつながることであれば問題ないでしょう(それすら嫌がる女性もいますが・・・)。しかし、まったく無関係のお願いごとは、「は?なんで私が?」という気持ちにさせる可能性大。慎重に行うべきです。
2-7. オウム返しをする
相手が言ったことを意識的にオウム返しするのは会話テクニックとして有名で、「ちゃんと話を聞いていますよ」という意志を伝えられますが、果たしてパパ活ではどうでしょう。ただ繰り返すと、機械的に感じられたり、「こっちが言ったことしか返さないバカ?」と思われるおそれもあります。どうせなら、似たテクニックでミラーリングがおすすめです。言葉ではなく、意味を返すので会話に深みが増すので、一度調べてみてください。
2-8. LINEをマメにする
恋愛ではマメなLINEが効果的といわれていますが、パパ活では逆効果でしょう。パパ活女子は、あくまでビジネスライクな距離感を求めていることが多く、頻繁なメッセージを負担に感じている人は多いです。本当に用件のある時だけ、適度なボリュームでメッセージを送るようにしましょう。LINEは、無意味な報告も、長文で想いを語るのも、絵文字を使うのも、返事が来るまで追いLINEするのも、やめたほうが良いです。
2-9. 共通点を見つける
これはパパ活でも効果的だと思います。ただでさえ年齢のギャップがあり、女子がパパに合わせないと会話が成り立たないのですから、趣味や興味を共有することは、自然な会話が生まれ、関係が深まりやすくなるのでおすすめです。趣味やハマっているもの、推しているものを聞いたら、「知らない」「興味ない」とか言わずに、きちんと調べて楽しさを一緒に探っていくと良いです。
2-10. 秘密を作る
一般的な恋愛での「秘密を共有する」という手法は、パパ活ではあまり効果的ではないと考える派です。そもそもパパ活自体が秘密に包まれた関係であることが多く、さらに秘密を共有することにあまり大きな意味があるとは思えないからです。
3. パパ活特有の距離の保ち方
3-1. メッセージのコントロール
パパ活では、頻繁なメッセージのやり取りは必ずしも必要ではありません。むしろ、相手にプレッシャーを与えることになり、関係を壊す原因となることがあります。特に注意したいのが、仕事やプライベートで嫌なことがあったときの愚痴を送ったり、酒を飲んで酔っ払った勢いで日頃の不満をLINEすること。これに対応するということは、女性にとって時間外労働みたいなものなので、心の底から「うざい」と思う行為です。話を聞いてほしいなら、お手当の発生する会ったときにするべきでしょう。
3-2. 関係を進展させるタイミング
パパ活で関係を進展させるタイミングをうまく図れなくて悩んでいる人は多いようです。顔合わせして、その次からは大人ありで会いましょうと約束すればそんな悩みは不要ですが、「仲良くなってから」というのが本当に難しい。「もう5回目だからいいでしょ?」とか「いつなら大丈夫なの?」といった言葉を女性に投げかけて良い結果に結びつくことはまずありません。これはパパ活において永遠のテーマなので、また別の記事で書いてみようと思います。
3-3. 感情的な関係のリスク管理
パパ活では、感情的な関係に発展しすぎると、よくない方向へ向かうことがあります。あくまでビジネス的な側面が強いため、感情を抑えて適度な距離感を保つほうが安心です。ガチ恋モードになったパパほど手に負えないものはないと、とある顔合わせした女性が嘆いていました。私も人のふり見て我がふり直せじゃないですが、恋愛をしているのでないということを常に肝に銘じて行動するようにしています。
4. まとめ
「フィリア(友情や兄弟愛)」と「エロス(情熱的で官能的な愛)」という二つの関係性を通して考えると、パパ活においてはやはり、フィリア的な距離感を保つことがより良い関係づくりには有効でしょう。ネット上でよく紹介される恋愛テクニックは、必ずしもパパ活に通用するわけではありません。適度な距離感を保ちつつ、相手との共通点を見つけ、自然な会話を楽しむことが、フィリア的な信頼関係を築くための鍵です。
パパ活女子との関係を長続きさせるためには、けして「エロス(情熱的で官能的な愛)」の感情に揺さぶられることがないよう、適度な距離感を保ち、相手に安心感を与えましょう。これからパパ活を始める方や、関係を深めたい方は、この距離感を意識して、成功するパパ活ライフを送ってください。