1. はじめに
SNSを眺めていると、世の中にはさまざまなパパ活スタイルが存在し、ときに「恋愛」や「本気の感情」を感じさせるような出来事も起きているようです。しかし、私の考えは「パパ活女子がパパを恋愛対象として見ることはない」ということで決まっています。
たとえPJが「好き」と言ったとしても、それがどういう意味での“好き”なのかは、冷静に見極めなければなりません。この記事を書こうと思ったきっかけは、SNSであまりにもガチ恋状態に陥っている男性が多く、PJ側が辟易としているポストが多かったからです。自分たちが色恋チラつかせておいて、本気になられたら本人に言わずXにLINE等のスクショをアップして罵倒する状況にとてもモヤモヤしてしまい、書くことにしました。
2. パパ活女子の「好き」は本気か、それともビジネスか
ここでは、PJが使う「好き」という言葉の実態について掘り下げます。実際に顔合わせをして、「おじさんでも全然恋愛対象ですよ」と言う女子は珍しくありません。では、彼女たちは本当の意味でパパと恋愛関係になるのでしょうか。私の考えはNO。あくまで“ビジネス”の一環なのです。キャバクラのキャバ嬢と何ら変わりません。
2-1. 「おじさんでも恋愛対象です」の本音
私は顔合わせの席で「年の差とか気にしないタイプなんですよね」という言葉を何度も耳にしました。確かに、PJの中には、若い男性よりも落ち着いた年配男性の方がタイプだと公言する方は少なくありません。しかし、そこにはPの経済力が絡んでいます。「金さえ持っていれば年齢は関係なし。だって、会って1〜2時間ほどデートするだけだから」という考えがベースにあります。
中には、本当におじさん好きがいるかもしれません。ただ、私の経験上、その割合は極めて少数派です。少なくとも、私が会って話をしてきた200数十名のPJから聞いた話や、Xのアカウントが発信している内容を踏まえると、大半は「経済的に余裕がある」「生活経験が豊富で包容力がある」というステータス面を魅力的だと感じていただけで、恋愛対象として本気になっている様子はありません。「人と人だから、そういう感情が芽生えることだってある」と反論するPJがいますが、うっかりこちらが本気になると、あとで手のひらを返されるのがオチです。
2-2. パパの勘違いが生むトラブル
PJから「年上の男性って余裕があって素敵」と言われれば、悪い気はしませんし、「自分をこんなに慕ってくれるなんて、本気で好いてくれているのでは」と思ってしまうこともあるでしょう。とりわけ、経験豊富なPJは、男性の喜びそうな言葉や褒め方を熟知しており、初心者でもネット記事のマニュアルで学習しているケースが多いです。パパ活アプリの紹介文やメッセージ文がテンプレだらけということを考えればご理解いただけるでしょうか。これはPから嫌われないよう、それでいて適度に距離感を保ちたいPJ側の女性の会話のテクニックのようなもので、悪意があるわけではないのですが、パパ側が簡単に信用してしまうと後々のトラブルにつながるのです。
はっきり言っておきますが、女子がお手当もなく会いたいと思ったり、好きになるのは、若くて自分がタイプと思うイケメンだけです。それ以外は経済力が良いとか社会的な地位が高いとか、自分に何かメリットがあるとか、材料がないとわざわざ時間をかけて繋がろうと思ったりしません。パパ活では結局、良いお手当の条件提示がなければ、PJにとってメリットが薄いわけで、それを忘れてしまったパパは時に大きなショックを受けることになるわけです。
3. お手当をもらうためのトークが生まれる背景
PJが“パパを喜ばせるトーク”を巧みに繰り出す理由を紐解いていきます。なぜ彼女たちは、男性をドキリとさせる言葉や言い回しを多用するのでしょうか。それには、パパ活というシステムの構造的な背景があります。
3-1. パパ活は会っている時間がすべて
パパ活の最大の特徴は、“会っている時間だけが勝負”という点にあります。これは、交際クラブやマッチングアプリを通じて成立する大人の関係においても同様で、基本的にパパ活女子は、パパとのデートや食事の時間が終われば、自分の生活にすぐに戻ります。男性側としては「LINEや電話で毎日繋がっていたい」「本気の恋人みたいなやり取りがしたい」と思うかもしれませんが、女子の側はそうした連絡を義務的に続けているわけではありません。
パパ活女子がパパと連絡を取り合うのは、お手当の取り決めや次のデートの打ち合わせなど、あくまで“業務連絡”に近いものだと考えている人が多いのです。もちろん、中にはパパに親近感や尊敬の念を抱いてくれる子もいますが、いずれにせよ、最終的には「金額」「相場」「条件提示」が大前提となっていることを、忘れてはいけません。そこを勘違いしてしまうと、関係継続にヒビが入るばかりか、揉め事に発展しやすくなります。
3-2. 心地よい言葉を巧みに操る女子の実態
パパ活女子の多くは、ある程度のコミュニケーションスキルを身につけています。男性にとって気分のいい言葉や褒め方を、自然に出せる子が非常に多いと感じます。たとえば、会話の中でさりげなく
「顔合わせのときから◯◯さんの笑顔、素敵だなって思ってました」
「マナーがいいし、場所選びもセンスが良くて尊敬します」
「同世代の男性は頼りない人ばかりだけど、◯◯さんは違いますね」
などなど、こちらが喜ぶワードを連発されると、ついつい「本気で好かれているんじゃないか」と思ってしまうものです。けれど、それはあくまでお手当をもらうためのご機嫌取りだと考えてください。私も分かってはいても、こうした言葉で機嫌を良くしてしまい、お手当を上乗せしてしまったことがあります。甘い話ですが、気分が良くなると冷静な判断ができなくなるのです。
PJ側も悪気があったり、騙そうとしているわけではないのです。一緒に過ごす以上、楽しい時間にしたいし、自分のことを気に入ってもらってリピートしてほしい、お金を出したくなる存在になりたい。そう考えているだけなのです。ビジネスの世界でも、営業マンや接客スタッフは顧客に気に入ってもらい、お金を使ってもらえるように働きかけますが、それと同じなのです。
4. 恋人気分を求めてしまう男性心理とその危険性
パパ活はあくまで大人の割り切った関係を前提としています。ところが、男性がついつい“恋人気分”を求めてしまうことで、想定外のトラブルや感情のもつれが生じるケースは珍しくありません。ここでは、既婚男性が抱きがちな「第二の青春」願望や、感情のコントロールを失った結果起こりうる悲劇について、より具体的に掘り下げていきます。
4-1. 既婚者の“第二の青春”願望
家庭や仕事に慣れてくると、どうしても同じ日常の繰り返しに飽きを感じることがあります。そんなマンネリ化した生活から一時的に離れ、若い女性との刺激的な時間を求める気持ちは、既婚男性にとってある種の“逃避”や“第二の青春”のような感覚を呼び覚ますのかもしれません。若い女性とのやり取りの中で「これまで忘れていたドキドキを再び味わいたい」という心理が強く働くと、パパ活女子からの少しの気遣いや甘い言葉に心を揺さぶられてしまうのです。
ただし、そこに深い恋愛感情を重ね合わせてしまうと、女性との関係だけではなく、もともとの家庭や仕事にも悪影響が及ぶリスクがあります。元来パパ活は、互いの生活を壊さない範囲で楽しむ大人の関係であるため、あまりに相手にのめり込みすぎると“第二の青春”どころか取り返しのつかないトラブルを招く可能性があるでしょう。
4-2. 感情をコントロールできないと起こる悲劇
パパ活女子が自然な笑顔や軽いボディタッチ、優しい言葉を投げかけてくれると、男性は「もしかしたら本当に好かれているのでは」と期待を膨らませがちです。しかし、パパ活の基本構造として、女性はお手当をもらうことや時間の対価としてパパに“気分の良い体験”を提供する側面が強いため、男性がその言葉をすべて額面通りに受け取るのは危険です。
もし感情をうまくコントロールできずに、本気の恋愛を求める言動(過度なLINEの連投やプライベートの干渉など)へ発展してしまうと、女性のほうが引いてしまうケースも多々あります。結果的には連絡を断たれ、失望や怒りを抱えたまま関係が終了してしまうこともあるのです。パパ活はビジネスライクな大人の付き合いであることを忘れず、恋愛感情の暴走が引き起こす悲劇を未然に防ぐ冷静さを常に持つ必要があります。
5. 「お手当なし」で進む関係は本物か
一部のパパが夢見る「お手当なしで続く関係」について考えます。果たして、お手当のやり取りが一切なくても、パパ活女子はパパのそばにいてくれるのでしょうか。もしそれが可能ならば、それはもう普通の恋人同士と言っていいのかもしれません。ですが、現実はそう甘くはありません。
5-1. お金のやり取りが消えると何が起こるのか
私が定期で会っていたPJから「会うたびにお手当をもらう形はやめたい」と相談されたことがありました。しかし、お金が使わない関係ではありません。家の引っ越し代や家賃、家具や家電の費用を出してあげただけでなく、生活必需品や仕事で必要なもの、脱毛やエステ、習い事のお金も出しています。もちろん、デートは全額こちら負担。クリスマスと誕生日プレゼントも欠かせません。結局、彼女への“経済的なサポート”は必須で、完全にお手当なしで関係を継続することではありません。
パパ活がきっかけで本当に恋愛に発展し、結婚を視野に入れた人がいるという噂も聞いたことがあります。ですが、それはあくまで例外であって、一般的には金銭の発生しないパパ活は成立しないと言えます。女性にとっては、お手当をもらえるからこそパパと会うモチベーションが湧くわけで、お金のやり取りがゼロになれば、彼女たちにメリットは何もないのです。ちょっとばかりお金に余裕のあるおっさんに、無償の愛を注げるわけがありません。
5-2. 果たして恋愛へ発展する可能性はあるのか
それでも、「もしかしたら、うちの子は特別かもしれない」と思い込んでしまう男性は多いようです。しかし、パパ活女子の“好き”が向いている先は多くの場合、パパの経済力や包容力、そして社会的地位。いわば生活や安心に紐づいた“好き”であって、恋愛感情とは異なるというのが、私の経験的見解です。
もし本物の恋愛関係に発展するとしても、それは相当な覚悟と相性の良さが必要になります。女性がパパとの交際を真剣に考え、家族や友人にも堂々と紹介できる段階にまで至るには、さまざまなハードルが待ち受けているでしょう。既婚パパの場合はさらに壁が厚く、現実的には非常に難しいと言わざるを得ません。
6. ガチ恋にならないために押さえておきたいポイント
では、どうすればPJにガチ恋してしまうリスクを減らせるのでしょうか。自分の感情をセーブするための方法をいくつか共有します。
6-1. パパ活はビジネスライクな大人の関係
PJと会う際には、「これはあくまでビジネスライクな関係だ」という認識を常に持ち続けることが大切だと感じます。もちろん、楽しい時間を過ごしたい、癒しやドキドキを求めたいという気持ちは分かりますが、そこに「恋愛感情」や「純愛」を持ち込むのは危険すぎます。パパ活の世界では、顔合わせ時に条件提示や金額交渉を行い、相手のマナーや場所選び、会話のテクニックも含めて、“大人の関係”をスマートに楽しむことが基本です。
もし女性の優しい言葉や仕草にときめいてしまっても、「彼女はプロとして振る舞っている。これはお手当をもらうためのテクニックだ」と、一旦頭の中で整理する癖をつけましょう。そうすれば、必要以上に期待してしまう気持ちを抑えられるはずです。
6-2. 経済力や包容力を向けられている“だけ”という現実
お手当なしの関係を望んでいるパパは、特に注意が必要だと思います。PJからすれば、「この人は私に金銭的サポートをしてくれる、頼れる人だ」というメリットがあるからこそ、一緒に時間を過ごすモチベーションが生まれるわけです。そこを忘れて「自分自身の人間性が好きなんだ」と考えてしまうと、頭と心のギャップがどんどん広がっていきます。
「パパが好き。包容力があるところが魅力的」と言われても、それが恋愛感情であると考えてはいけません。実際には「金額が高めのお手当をくれるから」といった理由が大きく作用していることが多いのです。この点を冷静に理解するだけでも、ガチ恋に発展するリスクは格段に下がるでしょう。
7. 恋愛感情を求めるならパパ活をやめるべき理由
ここまで読んで、「それでもやっぱり、俺は彼女と本当の恋をしたいんだ」と思う方がいるかもしれません。しかし私は声を大にして言いたいのです。もし本気で恋愛感情を求めているなら、パパ活という形を続けるのはやめたほうがいいと。
7-1. 自分と相手の将来設計の不一致
何度もいいますが、パパ活はお金を介して成り立つ大人の関係です。相手との将来設計を真剣にすり合わせる機会は少なく、どちらか一方が「ずっと一緒にいたい」「本気で結婚を考えている」といった思いを抱いたとしても、その想いがスムーズに共有されるとは限りません。なぜなら、PJにとっては、現在の経済的メリットが最優先であったり、学業や仕事のキャリアアップを中心にライフプランを描いていたりする場合が多いからです。
もし男性が恋愛感情を全面に押し出して将来の話を持ちかけても、女性のほうは「そこまで重い話を想定していなかった」と戸惑うのは間違いありません。そもそもパパ活の枠組みでは、お互いの人生をがっちりと結び合わせることを目的としていないのです。こうした温度差や目的のズレが生じると、相手の意向を尊重できず、不満や摩擦につながりやすくなります。
7-2. 本当の恋愛との間にある大きなギャップ
お手当をもらう関係では、金銭という分かりやすい形でのサポートがある反面、純粋な愛情表現や一途さといった、いわゆる「本当の恋愛」で重視される要素が希薄になりがちです。PJは、お金があるからこそパパを選び、男性側も金銭サポートを前提として相手を探すことが多いので、そこに恋愛独特の「無償の愛」や「互いを理解し合う努力」が存在しないのです。
真剣交際や結婚を視野に入れるような熱い想いを抱いたとしても、相手にそれをそのまま受け止めてもらうのは容易ではありません。パパ活自体、従来の恋愛の形とは異なる「大人の割り切り」をベースに成立しているため、本物の恋愛とパパ活の間には、考え方やスタンスの点で大きな溝が横たわっていると言えるでしょう。
8. まとめ
PJはパパに恋愛感情を持つのか——これは多くのパパ活をする男性が一度は抱く疑問だと思います。結論から言えば、ほとんどの場合、それはパパの経済力や社会的ステータスに向けられた“好き”であって、いわゆる男女の本気の恋愛感情とはまったく違うのです。顔合わせの段階で「おじさんでも全然OK」と言われたとしても、その裏にはお手当や金額、条件提示などのビジネス要素が強く作用しています。
もしパパ活で本物の恋愛を求めてしまえば、感情が揺さぶられ、相場を無視した大盤振る舞いをしてしまったり、逆にお手当なしでの関係継続を迫って女性に拒否されたりする恐れがあります。そうしたトラブルを避けるためにも、パパ活はあくまで“大人の関係”として割り切ったスタンスを貫くことをおすすめします。ときめきや癒しを享受しつつも、自分の感情が誤った方向に走らないよう、常に冷静さを保つのがパパ活を長く楽しむコツです。
そして最後に、どうしても恋愛を求めたいのであれば、パパ活以外の場で出会いを探すほうが賢明だと思います。パパ活は刺激的で面白い世界ですが、真剣な恋愛感情には向いていないのです。自分はモテるオジサンだと思っているなら、一度、相席バーや出会いが多い酒場に言って女性に声をかけてみてください。そこで相手が見つかるなら、パパ活をする必要はありません。多くのおじさんは、そこで相手にされないので、くれぐれもガチ恋に走って自滅することがないよう、節度を持ってパパ活にいそしむしかないのです。