1. はじめに
BARはカップルにとって、二人の距離を縮める意味で最適な場所です。静かで洗練された空間が、会話を楽しむ余裕と親密さを育みます。せっかくのBARデートですから、マナーと場の楽しみ方をおさらいしておきませんか?
今回は、オーセンティックなBARを舞台に、女性をエスコートする際のポイント、避けるべきNG行為、そしてBARの個性を感じられるカクテル7選について解説します。この記事を参考に、次回のBARデートで彼女との距離をぐっと縮めましょう。
◎前回の記事もぜひ参考にしてください。
「私をBARへ連れてって【基本編】」
2. 女性をエスコートするBARでの基本マナー
BARでのエスコートは、男性の品格や思いやりを示す大切な機会です。特に若い女性はオーセンティックBARは行ったことがないというケースが多いので、未体験の場所で緊張せず、リラックスして楽しんでもらえるように細やかな気遣いと基本的なルールを押さえることが男性側に求められます。
2-1. エスコートの心得
女性をリードするには、行動の一つ一つに配慮が必要です。まず入店時。ドアを開けて先に通す行為は、レディーファーストの精神からいうと良いのですが、女性が初めての場所であればあなたが率先してドアを開き、招き入れる形が良いでしょう。なお、BARは席数が少ないお店が多いので、満席のことがあります。予め近くの別の候補も抑えておくとスマートです。
席は勝手に座らず、バーテンダーが案内してくれるまで待ちます。カウンターかテーブル、ボックスの希望を聞かれたら女性に意見を聞いてみましょう。おすすめはバーテンダーとの対話を楽しんだり、ドリンクを作る様子をみられるカウンター席です。バッグや上着はバーテンダーが預かってくれることもありますが、カウンターの下に置いたり背後の壁に掛けたりする場合もあります。くれぐれもカウンターの上に置かないようにしましょう。カウンターはBARの命なのです。
2-3. 女性が喜ぶ気配りポイント
席についたらオーダーです。お店によりますが、おしぼりやチャーム(スナックやナッツなど付き出しのようなもの)を待る間、何を頼むか女性と相談です。メニュー選びの際は、「僕は〇〇をいただこうかな」と自分はさっと決めて、女性には好みを聞き出してみることで頼りがいのある男性像をアピールできます。バーテンダーは「フルーツ系が好き」とか「さっぱりしたもの」「アルコールはやさしめ」「ジンは苦手」など好き嫌いを伝えると、最適なものを提案してくれます。好みを知らないお客にただ「おすすめ」と注文されても、ヒントがないからです。
ドリンクが来たら軽く乾杯。高価だったり壊れやすいグラスもあるので、取り扱い注意。グラスを当てないほうが良いです。また、女性の飲み物が少なくなったタイミングで次のオーダーを確認したり、寒い時期には温かい飲み物を提案するなど、些細な気遣いも女性の心を掴みます。また、会話では、相手の話に耳を傾け、適度に共感や質問を挟むことで自然な流れを作りましょう。
2-4. 初心者が覚えておくと便利なBARのルール
BARは酒場ですが、居酒屋とは違います。例えば、大声での会話は、静かに飲みたい他のお客に迷惑をかけるため厳禁です。他のお客とのコミュニケーションも楽しみの一つではありますが、あくまでもさりげなく。バーテンダーが繋いでくれることがあるので、慣れるまでは声がけなどは控えて方が良いです。
バーテンダーへ1杯おごるのは喜ばれます。ただ、テキーラのショットを強要するなどは格好が悪いので、「好きなものをどうぞ」と促すのが慣れた印象を与えます。ドリンクが美味しいときは賛辞の言葉を忘れずに。これらの小さな行動が、全体の雰囲気を良くし、あなた自身の評価も上げてくれます。一緒にいる女性が嫌な気分にならないよう、男性としてかっこよくありたいですね。
3. BARで避けるべきNG行為
BARは大人の社交場であり、その空間を共有する全ての人々への配慮が必要です。NG行為を避けることで、女性に安心感を与え、自分の評価を下げるリスクを回避できます。
3-1. 女性を困らせる行動
飲みすぎてしまう行為は、女性に不快感や不安を与えます。アルコールに飲まれることで会話がまとまらなくなり、楽しい雰囲気を台無しにしてしまうからです。また、相手の好みを無視して一方的に注文を決める行為は、相手を尊重していない印象を与えます。馴れ馴れしいスキンシップも同様に、女性の警戒心を高める結果になります。
3-2. ボトルは勝手に触らない
BARにとってお酒は商品であり大切な資産です。カウンターに置かれたボトルでも許可なく触ることはやめましょう。中には高価なお酒もあり、万一手を滑らせてこぼしたり、割ったりしたら大問題です。過剰な写真撮影も要注意。記念に写真を押さえておきたいときは一声かけるようにしましょう。
3-2. 実は「バーテン」は蔑称
バーテンダーとのコミュニケーションは、BARの魅力の一つですが、親しみをこめて「バーテンさん」と呼ぶのは避けましょう。これは昔、バーテンダーとフーテン(常識外れの人)を合わせた蔑称として使われていたため、良い印象を持たれません。「バーテンダーさん」は店主であれば「マスター」、名札を付けていたら「◯◯さん」と呼びましょう。
4. BARの個性を楽しめるカクテル7選
女性がお酒に興味を持ってくれたら、ぜひそのお店の個性やバーテンダーの力量を感じさせるカクテルを注文してください。使用する素材やレシピへのこだわり、仕上げ方に至るまで、作り手のセンスが表れます。お店ごとに特徴を覚えて、「ジントニックならあのお店」など、こだわりを持つことはBARの楽しみを広げてくれます。
今回は7つのカクテルについて、その発祥や由来、味の特徴を交えながら、BARごとの違いを楽しむ方法をご紹介します。
1. マティーニ
「カクテルの王様」と呼ばれるマティーニは、19世紀後半にアメリカで誕生したと言われています。ジンとドライベルモットをベースにしたこのカクテルは、シンプルだからこそバーテンダーの技量が問われます。ステアで冷やす時間やオリーブの仕上げ方など、微細な違いで味が大きく変わるのが特徴です。
2. ギムレット
ギムレットは、19世紀にイギリス海軍がビタミンC補給のためにジンをライムジュースで割って飲んだことがルーツ。バーシンプルな組み合わせながら、酸味と甘みのバランスが重要で、作り手のセンスが光ります。バーテンダーのシェイクからグラスに注ぐ所作にも注目。
3. サイドカー
100年近く前に誕生したサイドカーは、ブランデー、ホワイトキュラソー、レモンジュースを合わせたカクテル。甘さと酸味の絶妙なハーモニーが特徴で、作り手の個性が出やすいとされています。サイドカーの味でバーテンダーの腕がわかる、とまで言われることも。
4. ジントニック
BARでは定番中の定番といえるカクテルです。ジン特有の薬草の香りとトニックウォーターの甘み・苦み、ライムの酸味が調和したスッキリとした味わいが特徴で、ジンの選び方や炭酸の強さ、ライムの量などがバーテンダーの腕前を左右します。シンプルだからこそ店ごとの違いを楽しみましょう。
5. ジンフィズ
19世紀末にアメリカで生まれたジンフィズは、ジン、レモンジュース、砂糖、ソーダを合わせた爽やかなカクテルで、甘味、酸味、苦味、そして炭酸の爽快感が一体となったバランスの良さで女性にも人気です。泡立て方やソーダの注ぎ方によって、飲み心地に個性が出ます。
6. ゴッド・ファーザー
映画『ゴッドファーザー』にちなんで命名されたこのカクテルは、ウイスキーにアマレットをミックスした、甘くて濃厚な味わいが特徴。ウイスキーの種類で味わいが変わるため、バーテンダーの配分次第で印象が大きく変わります。こだわるなら、スコッチの銘柄をしてするのもありです。
7. オールドファッションド
文字通りクラシックなカクテル。バーボンやライのウイスキーをベースに、砂糖やビターズを加えた一杯は、混ぜ方や飾り付けで店ごとの違いが明確に現れます。ウイスキーが好きで、歴史ある味を試したいときにぴったりです。
5. まとめ
BARでの過ごし方について解説しましたが、いかがでしたか?女性をエスコートする際のマナーや、避けるべきNG行為を押さえることで、デートの成功率が格段に向上するはずです。さらに、カクテルを通じてBARの個性やバーテンダーの技量を感じ取ることで、デートの時間がより特別なものになるでしょう。ほどよくお酒をいただきながら、会話を楽しめるBARで、素敵なひとときをお過ごしください。